本日は売れない原因について考えます。
先日のことですが
アパレル業界のMD職に就かれる方に
自社製品を作るうえで
「どれだけ」作るかについて
判断する基準を伺う機会がありました。
Amazon輸出での販売には
商品を売りきる為に行う施策が
幾つも存在しますが
こと商品をどれだけ作るかの判断基準は
どれだけ売れるかの予測に繋がります。
つまり、適当な数を売る為には
販売予測が欠かせないという訳です。
販売予測から実際の行動に移す際には
競合者の数も意識しなければなりませんし
売り切ることに重きを置けば
価格の適正化や販路を増やすといった
施策も必要になる場合があります。
売れない原因を解消するには
やるべきことが幾つもあるということです。
また、商品によっては
季節性を考慮しなくては
売れないものもあります。
その辺りは、特にアパレル業界が
意識しているところですので
それに倣って解説したいと思います。
Amazon輸出における「JAPAN-IMPORT」検索の成功事例
以前の記事でも
Amazon輸出でのリサーチには
「JAPAN-IMPORT」というキーワードを基に
検索することが基本だと説明しました。
「JAPAN-IMPORT」の検索ワードは基本ですが
それは前提であり、それを基にして
抽出された商品の中から
売れる商品を判断するには
他にも見るべき指標があります。
AmazonFBA販売の場合で考えていきますが
リサーチ工程はAmazon輸出ツールで
代替できる部分ですので
某価格比較ツールを使っていきます。
まずカテゴリを決めますが
正直、売れる商品は売れるというのが
実情ですので今回は
「Musical Instruments」を選択します。
次が利益率です。
利益率や価格差といった項目は
最も興味の沸くところではないでしょうか。
Amazon輸出では利益率と併せて
海外での販売価格も
販管費との差し引きから考えて
重要な判断材料となりますが
利益率(売上高総利益率)は10%以上を
目安にしています。
ちなみに、販売価格は$20以上は欲しいところです。
次に海外ランキングです。
最終的にはモノレート
もしくは在庫追跡ツール等による
販売予測を立てるのですが
流石に全てを確認するのは
物理的に時間が掛かり過ぎますので
ランキングにより大まかな選別を行います。
月に5個前後は
売れている商品を選びたいので
50,000位前後に限定します。
(カテゴリにより変動します)
競合者数の判断は
AmazonFBA販売に限定していますので
FBA販売者のみに絞ります。
また、ここが重要ですが
全てのFBA販売者をカウントする
必要はありません。
基本的にショッピングカートの獲得は
カート価格を中心とした
ある価格帯を守っていれば
順番に回ってきますので
競合者としての判定は
現在のカート価格 ⇔ 「1.01倍 ~ 1.03倍」の
範囲内とします。
更にモノレートによる
月間販売予測数と合わせます。
最後に商品の実重量です。
AmazonFBAの納品には
重量制限がありますので
22kg以内であるかを判断基準とします。
(ここは概ね問題ありませんが)
では、この条件の下
選定した商品を10例紹介します。
流石にASINの記載は避けますが
商品画像は載せますので
後はお任せ致します。
ここで参考にして貰いたいのは
「Musical Instruments」カテゴリでの
商品傾向です。
- 売上高総利益率: 35.51%
- ブランド名: Novation
- 海外ランキング: 45572
- FBA競合者数: 0人
- 月間予測数量: 2個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 35.98%
- ブランド名: Orange
- 海外ランキング: 33556
- FBA競合者数: 1人
- 月間予測数量: 5個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 21.73%
- ブランド名: Korg
- 海外ランキング: 32052
- FBA競合者数: 3人
- 月間予測数量: 6個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 51.55%
- ブランド名: Korg
- 海外ランキング: 28849
- FBA競合者数: 1人
- 月間予測数量: 7個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 23.24%
- ブランド名: Roland
- 海外ランキング: 23915
- FBA競合者数: 0人
- 月間予測数量: 3個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 13.30%
- ブランド名: Pioneer
- 海外ランキング: 30069
- FBA競合者数: 2人
- 月間予測数量: 9個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 21.62%
- ブランド名: Korg
- 海外ランキング: 54870
- FBA競合者数: 1人
- 月間予測数量: 3個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 25.64%
- ブランド名: Korg
- 海外ランキング: 24555
- FBA競合者数: 1人
- 月間予測数量: 6個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 14.48%
- ブランド名: Native Instruments
- 海外ランキング: 15131
- FBA競合者数: 3人
- 月間予測数量: 4個
- 実重量判定: OK
- 売上高総利益率: 22.14%
- ブランド名: Hammond
- 海外ランキング: 57538
- FBA競合者数: 0人
- 月間予測数量: 4個
- 実重量判定: OK
Amazon輸出における在庫管理の重要性
在庫管理では
価格の適正化も重要です。
価格が適正でなければ商品は売れないでしょう。
Amazon輸出では
適正価格を考える際に
「最安価格」と「カート価格」の
どちらを意識するか考える必要があります。
勿論、良い価格で販売したいなら
カート価格に基づく適正化となりますが
カート価格を取得するには
暗に言われる条件を満たさなくてはなりません。
それが評価数50以上と評価率95%以上です。
肌感覚として
顧客に評価依頼を行った際に
応えてくれる割合は
100件に1人という印象です。
つまりは、50件貯めるまでに
5000件の売買が必要となる訳です。
カート取得を目指すならば
利益よりも在庫回転率を優先して
売買回数を上げなくてはなりません。
また売買履歴は
後の卸売りと取引する際の
根拠資料としても活きますので
最初は評価数を第一に考えて
薄利でも回転率優先で販売した方が良いです。
また、価格最適化を図る際は
価格改定ツールによる自動化がベストです。
詳細な価格設定ができますので
例えば、カート価格に合わせる場合は
上述した通り、「1.01倍 ~ 1.03倍」の考えで
改定してください。
中には、異様な廉売を
仕掛けてくる販売者もいますので
改定価格のセイフティ(下限設定)は必須です。
また、これは無在庫販売に
特に言えることですが
仕入元の在庫が切れた際には
出品しておく理由がなくなりますので
「出品」と「仕入元」を連動させておける
機能を有した価格改定ツールがお勧めです。
Amazon輸出と季節性
冒頭でアパレル業界には
季節性の意識が欠かせないということを
話したかと思いますが
折角ですので、アパレルを軸に説明します。
アパレル業界では
春夏(SS)と秋冬(AW)という
年間2サイクルを基に
企画販売を行っていますので
それを考慮した上で
次の時季に該当する商品の
仕入予測を立てる必要があります。
しかし、実際にはこの2シーズンだけでは
予測が不十分となります。
ですので
- 梅春
- 春
- 初夏
- 盛夏
- 晩夏
- 初秋
- 秋
- 冬
という具合で
更に8つのサブシーズンに
細分化がされていきます。
この考えを軸に
企画販売がなされていくということですね。
実際に、オンラインショップでの
売られ方も見る必要があります。
例えばBUYMAでは今
「2016/2017 AW」という表記で
多くの商品が販売されています。
購買自体は既に「17-SS」かもしれません。
季節性が反映された商品では
それだけ予測が困難を極めるということです。