Amazon輸出をビジネスとして
始めた際に、注意すべき事項として
考えられるのは利益計算や語学(英語)面
これだけで問題ないでしょうか。
Amazon輸出では商品を
「国外」に持ち出して
それを国外に拠点を置くプラットフォームで
販売しなくてはなりません。
つまり日本の常識では
図りきれないことが続出します。
ここでは特に
商品自体に掛かる規制事項を中心に
どの様にリスクヘッジすれば良いのかを
考えていきたいと思います。
「航空危険物」指定による輸出不可
「航空危険物」指定の商品を
国外に輸出する場合、確実に引き受けを
断られます。
国内宛であれば、送達が遅延する程度で
済むケースもありますが
国外であれば問答無用で輸出が禁じられます。
該当する商品を仕入れた場合
全くの無駄となってしまいますので
一つずつ見ていきましょう。
- 火薬類
花火
クラッカー - 高圧ガス
スプレー缶
ライター用補充ガス
ダイビング用ボンベ
キャンプ用ガス
カセットコンロ用ガス
消化器
酸素ボンベ
ガスライター
ガスシリンダー - 引火性液体
香水
オイルライター
ライター用燃料
ペイント類
化学製品
接着剤
アルコール
ガソリン
マニキュア
アロマオイル - 可燃性物質
炭
マッチ - 有害物件
エンジン
ドライアイス
磁石
シートベルトプリテンショナー
エアバックモジュール
ストーブ - 酸化性物質類
小型酸素発生器
過酸化物
漂白剤
ヘアカラー - 毒物類
殺虫剤
農薬
水銀化合物
伝染性病原菌
バクテリア
ウィルス
医療系廃棄物
診断用標本 - 放射性物質
- 腐食性物質類
液体バッテリー
水銀
塩酸
「通関」の際に申請を要する
航空危険物を認識して
それらに該当しない商品を
航空機等で輸出できた場合でも
通関できるかどうかは別の話です。
通関申請が必要な商品に対し
適宜、申請を行わずに通関した場合は
「密輸」扱いとなる為気を付けてください。
「電子機器」に関する申請
米国連邦通信委員会(FCC)は
有害周波を発する商品に対して
規制を行っていますので
該当する商品を通関する際には
「FCCフォーム」の提出が義務付けられます。
「該当する電子機器類」
- オーディオ機器
- テレビゲーム機
- 電話機
- 携帯電話
- ファクシミリ
- コンピュータ
- コンピュータ周辺機器
- 電波時計
- 電子レンジ
- テレビ
- ラジオ
「リチウム電池」に関する申請
国際航空運送協会(IATA)では
2014年1月1日より、単体包装されている
リチウム電池に対し、輸送規則を強化している為
「リチウム電池取り扱いラベル」と
「リチウムバッテリードキュメント」の
提出が求められます。
「化学品」に関する申請
米国環境保護庁(EPA)では
人体に影響を及ぼす化学品に対し
規制を掛けていますので
通関時には「TSCAフォーム」の提出が
義務付けられています。
「該当する化学品類」
- 化粧品
- ペンキ
- インク
- ワックス
- 石鹸
- シャンプー
- パウダー
「FBA出品」が禁止扱いとなる
- 動植物
納入または出荷される前に
生きていたと思われるもの。 - 食品等(要期限管理商品)
食品、食玩等の食品を含む製品。
または商品に期限表示が印字されている製品。
※大口出品契約を行っている場合には
要期限管理商品に関するトレーニングを受講後に
テストに合格した際に出品が可能となります。
要期限管理商品の出品許可
- 危険物および化学薬品
消防法で規定されている危険物第1類から第6類
火薬取締法、毒物および劇物取締法での規制製品
航空危険物安全輸送協会(JACIS)に基づき禁止されている製品
リチウム電池(詳細条件有り)
商品に危険を喚起する注意事項が明記されている製品
火気厳禁、危険物第x類等の表記があるもの
エアゾール製品 - 販売にあたり関連省庁等への届出や許可等が必要なもの
医療機器
※「家庭用管理医療機器」並びに「一般医療機器」のみ取扱可能
医薬品
酒類
金券、プリペイドカード
各種商品券等(切手、収入印紙) - ネオジウム磁石及び磁気が他商品に影響を及ぼす恐れのある強力磁石
- ゴールド、プラチナ、銀などの貴金属バー・インゴッド・地金
- 金貨・銀貨・銅貨・記念コイン
- 古銭・古札
- プログラムポリシーで禁止される商品
盗難商品
再複製媒体
非合法商品
商標登録済商品の複製
プロモーション用媒体
アダルト商品 - リコールに該当する商品等
AmazonFBAに納品する際の「重量制限」
AmazonFBAを利用する方は
一度に段ボールを数箱、纏めて納品する方が
多いですが、1つの段ボール箱には
重量の制限が設けられています。
1箱の制限重量は「50lbs」です。
※lbs=ポンド 50lbs=約22kg(679.6167g)
つまり、日本からクーリエ
もしくは代行業者を通じて発送する際
事前に20kg程度のルールを決めておきましょう。
この行為を繰り返すと
アカウント凍結となる可能性があります。
出品をする際に「カテゴリー申請」が必要となる
Amazon輸出で商品を販売する際には
申請を要するカテゴリーが存在します。
申請を通過すれば
他の出品者との競争力が付きますし
失敗した場合でも、繰り返し申請は
受け付けますので通した方がお得です。
申請を要するカテゴリーは以下の通りです。
- Automotive & Powersports
- Beauty
- Clothing & Accessories
- Collectible Books
- Collectible Coins
- Entertainment Collectibles
- Fine Art
- Gift Cards
- Grocery & Gourmet Foods
- Health & Personal Care
- Independent Design
- Jewelry
- Luggage & Travel Accessories
- Major Appliances
- Services
- Sexual Wellness
- Shoes, Handbags & Sunglasses
- Sports Collectibles
- Video, DVD, & Blu-ray
- Watches
- Wine
上記の申請作業は
以下のリンクより行えます。
カテゴリー申請
申請を行ってから、Amazonより審査結果が
返ってくるまでにおよそ1-2日程度の所要期間で
済みますが、審査条件は非公開ですので
審査落ちの場合自分で原因を潰していくしかありません。
特定の「製造メーカー」が販売を規制
これまでに説明してきました
諸々の条件をクリアして、販売開始となった場合でも
特定の製造メーカーが直接Amazonに対して
申し立てを行っていると
その商品への出品規制が掛かります。
「申し訳ありませんが、この商品は出品が制限されています」
この規制を解除するには
正規販売代理店でなければ
販売行為が認められることはありませんので
その商品については、諦めた方が賢明です。
(規制が覆る可能性は0に等しい)
この手の商品には
海賊版等が大量に出回っているという
共通点が多い傾向にあります。
最後に
Amazon輸出を開始したばかりの
初心者が意識しなければならない
ポイントを纏めて参りました。
商品に関する規制事項は
この通り山の様に設けられており
全てを把握することは難しいかもしれません。
ここまでの流れを整理しますと
- 航空機を通過
- 税関を通過
- FBAへの出品を通過
- (FBA出品の「重量」規制を通過)
- カテゴリー申請を通過
- 製造メーカーからの規制を通過
大凡、日本から海外へと順番に通過する流れとして
この様な感じになるかと思います。
一度、全工程を自分で体験してしまえば
大枠は一回で掴めると思いますので
一つずつ丁寧に理解していきましょう。
この中でも、特にカテゴリー申請の通過は
Amazon輸出での強みとなりますので
繰り返しチャレンジするべきです。