近年、越境ECが盛り上がりを見せる中、EC市場の拡大を考える事業者も増えています。
国内で販売している事業者の方の中でも、US Amazon(米国Amazon)に輸出したいと考えている方は多いでしょう。
特にAmazonは中小規模の事業者でも個人でも参入しやすい市場となっているため、US Amazonへの進出は大企業だけに限りません。
年々、US Amazon輸出を実践する物販セラーが増えているのが現状です。
越境EC市場はまだまだこれからも伸び続ける事が期待されていますから、出遅れないうちに今から手を打っておくべきでしょう。
こちらでは、US Amazonで販売する方法とメリットについて、詳しく解説していきます。
是非今回の記事を参考に米国Amazon輸出に挑戦してみて下さい。
関連:Amazon輸出ヨーロッパ販売(ドイツ・イギリス)の方法【輸出の注意点も解説します】
US Amazon とは?
Amazonは世界的に展開していますが、その中でも一番大きな市場規模を誇っているのがUS Amazonです。
USとはアメリカの事を指しますから、米国Amazonというわけですね。
米国Amazon(Amazon.com)はAmazonの本拠地で運営されているサイトになります。
ヨーロッパやアジアなど世界中で利用されているAmazonは、各国にサイトを設定しています。
なのであなたが普段利用しているAmazonは、日本用のAmazonという事です。
各国に出品するためには、それぞれの国のAmazonで手続きをする必要があります。
なお、Amazonでは「Amazonグローバルセリング」というサービスも展開しており、越境ECを推奨しています。
日本にいながらも世界各国のAmazonで出品ができるようにな仕組みがあるのですから、利用しない手はないでしょう。
US Amazonで販売するメリット
販路拡大という意味ではもちろん、US Amazonに出品するメリットはあるでしょう。
しかし、US Amazonで販売をする事はそれ以外にもたくさんのメリットがあります。
- 手間がかからない
- FBA配送が利用できる
- 市場規模が大きい
- 消費税還付を受けられる
手間がかからない
US Amazon販売は日本のAmazonで販売をするときとほとんど仕組みが変わりません。
出品者登録や出品方法に多少の違いはあっても、大まかな販売の流れは一緒になっています。
また、出品者管理画面である「セラーセントラル」も英語から日本語に設定する事が出来るので、英語が読めなくても心配無用です。
登録さえ済んでしまえばすぐにでも出品が開始できるので、越境ECの販路としてUS Amazonを選ぶ事業者が多くなってきています。
自社で越境用のECサイトを用意する必要もないので、US Amazonでの販売は手間がかからないのが魅力ですね。
FBA配送が利用できる
US AmazonにもFBA(フルフィルメントbyAmazon)のサービスがあるので、FBA配送を利用する事ができます。
FBAこそAmazonの大きな強みであり、日本にいながらもアメリカAmazonの物流サービスを利用できるのは非常に便利ですね。
信頼性も高く安心で格安なので、安心して配送を任せることが出来ます。
越境EC初心者でも米国Amazonの倉庫に商品を送るだけで、
あとはAmazonが注文の処理から海外の消費者への発送、返品の受付まで行ってくれるので心配不要です。
市場規模が大きい
US Amazonはアメリカ国内でNo.1のシェア率を誇っており、米国全体のオンライン小売売上の49.1%を占めていると言われています。
また、日本Amazonの市場規模の3~4倍の売上げ規模があると考えられており、出品されている商品数も日本Amazonの約10倍と桁違いに多いです。
アメリカの人口が多い事はもちろんですがそれ以上にアメリカ国内でのAmazon利用者の割合も多く、アメリカ人にとってAmazonは日常であり欠かせないものになっていると考えられます。
さらにAmazonは、世界的に大きな認知度を誇るECサービスであるため、越境ECにおいても大きな集客力を発揮するでしょう。
日本のAmazonではまず売れないような商品でも、アメリカAmazonならヒットする可能性があります。
US Amazonでは「Amazon」という大きな看板がさらに大きな影響をもたらしてくれるのです。
消費税還付を受けられる
US Amazonに限った話ではありませんが越境ECで商品を販売する場合、商品の仕入れにかかった消費税を還付してもらう事ができます。
US Amazon販売などの海外販売は消費税が免税されるため、条件が揃えば申請することにより還付を受けられるのです。(消費税還付)
さらに、輸出業務の為に支出した諸経費に関しても消費税を支払っていれば、この諸経費で支払った消費税に関しても申請して還付を受けることが可能です。
加えてUS Amazon(海外のECモール)などで、販売の際にかかる消費税についても還付されるので、
Amazon.comに支払う出品手数料(FBA手数料)に加えて請求される消費税も還付を受けることが出来ます。
仕入れや輸出業務の為に支出した諸経費の10%の消費税額分が還付されるとなると、Amazon輸出では非常に非常に重要な利益源となるでしょう。
消費税還付はUS Amazon販売において絶対に欠かす事の出来ない重要ポイントですので、販売開始前にしっかりと勉強しておきましょう。
US Amazonで販売する方法
ここからは、具体的なUS Amazonでの販売方法を解説していきます。
US Amazonで販売を始めるためには、まずUS Amazonで出品者アカウントを作成する必要があります。
これは購入者アカウントとは別なので、米Amazonの購入者アカウントを持っている方も、出品者アカウントの登録が必要です。
登録までの流れは以下のようになっています。
- 出品者条件の承諾(Seller agreement)
- 出品者情報の登録(Seller Information)
- 銀行口座・クレジットカード情報の登録(Billing/Deposit)
- Tax関連情報の登録(Tax Information)
- 商品情報の選択(Products Information)
Tax関連情報の登録は分かりづらいかと思いますが、日本の事業者の場合は納税する事になるので、指示通りに入力を進めれば大丈夫です。
また、最後に米国市民か否かの選択が出てきますので、「No」をチェックするようにしましょう。
これで出品者登録は以上になりますが、この後に出品者の認証が行われます。
出品者認証では、Webで必要な情報の入力と書類の提出をする必要があります。
もし情報や書類に不備があった場合は、メールの通知とセラーセントラル上に表示がされるので、速やかに再提出するようにしましょう。
出品者認証後、今度はセキュリティ強化のための2段階認証設定が行われるので、携帯電話にPINコードを受け取って入力すればアカウントの設定が完了します。
アカウント設定が最後まで完了してから、セラーセントラルで商品が出品できるようになります。
また、この段階でセラーセントラルの表記を日本語に変更できるようになります。
US Amazonに出品者登録するときの注意点
US Amazonで出品者登録をする前に、登録時の注意点がいくつかあるので確認しておきましょう。
- ビジネスなら大口出品での登録が必須
- 海外の銀行口座が必要
- US Amazonの販売規制や出品制限
ビジネスなら大口出品での登録が必須
US Amazonでは日本Amazonと同様に、大口出品プランと小口出品プランの二種類が用意されています。
大口出品プランは月額39.99ドル+販売手数料が請求され、小口出品プランは1商品あたり0.99ドル+販売手数料が請求される仕組みになっています。
なので、単純計算で月に40個以上出品する場合は大口出品で出品したほうがお得です。
もしまだ40個もUS Amazonで販売する予定がなくても、大口出品で登録すればFBAが利用できますし、その他のさまざまなサービスが利用できるようになります。
なのでビジネスとしてUS Amazonで販売を続けていくのであれば、最初から迷わず大口出品で登録するようにしましょう。
海外の銀行口座が必要
US Amazonでの売上金の受取に日本の口座は利用できないため、ドルを受け取る事ができる海外の銀行口座が必要となります。
しかし、海外の銀行口座を作成するためには、現地に出向かなければなりません。
そこで日本にいながらも海外口座をレンタルする事ができる、Payoneer(ペイオニア)やWorld First(ワールドファースト)といったサービスを利用する事になります。
いずれも初期費用や維持費用は不要なので、早めにアカウントを作成しておきましょう。
US Amazonの販売規制や出品制限
US Amazonの販売規制や出品制限は日本Amazonの規則と同じ部分が多いです。
しかし、米国の販売規制やUS Amazonが独自に定めている出品制限もあるので注意が必要です。
この規制やルールに少しでもひっかかるものは出品や販売ができなくなる可能性があるので、事前にしっかりと学んでおきましょう。
US Amazonの出品制限等については、日本Amazon出品サービス>Amazonで海外販売のページに詳細リンクがあるので確認してみて下さい。
US Amazonで売れやすい商品は?
US Amazonで売れやすい商品としては、日本文化を感じられる商品や、おもちゃ・ホビー、高機能・コンパクトな商品などが挙げられます。
なので、初心者の方でまだどの商品を販売したらいいのか分からないという方は、まずは売れやすいカテゴリーから探してみても良いでしょう。
また、Amazonで販売を行う際は基本的にAmazonランキングを参考にすることが多いですが、US Amazonは市場規模が非常に大きいので、大カテゴリーのランキングはあまり参考になりません。
なので売れる商品を見つけるためには、中カテゴリのランキングを長期的に見る方法が有効的です。
ただし有名メーカーの商品や人気アニメの商品は競争率が高いので、避けるようにした方が良いでしょう。
最後に
US Amazonで販売する方法とメリットについて、詳しく解説しました。
海外ECサイトで販売するとなると難易度が高く感じますが、US Amazonは日本Amazonと構造もほとんど同じなので、非常に販売しやすいです。
さらに、FBA配送が利用できる点も、非常に大きなメリットでしょう。
US Amazonは越境ECの販路としても最適な環境が揃っているECサイトだと言えます。
これからどんどん参入する企業やメーカー、事業者が増えてくるので、乗り遅れないうちにUS Amazon販売に進出していきましょう。
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